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| もう、20年前の作品になるのか。SF映画の一つの金字塔といわれるこの作品。今見てもちっとも古臭さを感じさせない、非常にセンスの良い映画だった。 舞台となるのは近未来のロサンゼルスだけど、この街の雰囲気の作り方が秀逸。暗い夜空に浮かび上がるネオンや巨大スクリーン、そして全編にちりばめられた東洋的な文字、言葉による無国籍感。絶えず雨が降り続ける雑然とした町並。この映画の一番のウリは、この独特の世界観と、それを20年前というCG技術もまだ未熟だった時代にここまで見事に再現して見せた技術にあると言って過言ではない。他のSF映画にありがちな、変に無機質になってしまった世界ではなく、非常に人間臭い雑踏がまたリアル。 |
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人間臭いといえば、この物語のストーリーに直接かかわってくる人造人間レプリカント。この存在も結構特徴的かな。人の手で作られた人形でありながら、普通に生活している分にはまったく人間とは変わらないに何らかの超人的な能力を手にしているわけでもない(まぁ、人間にしては力や知恵がありすぎる部分もあるかも知れないですが)。特にラスト直前に主人公・デッカードと対決したレプリカント・バティー。正直言えば、「恐怖の連続」としてバティーが襲い掛かってくるシーンでは「こんな陳腐なラストになってしまうのか?」とがっかりもしたけど、対決が終わった後、雨に打たれるバティーの最期のシーンはなかなか心を打たれるものがあった。これが、敵であったはずのレプリカントがいつの間にかデッカードの味方になった瞬間。そして自分の存在を疑うレプリカント・レイチェルと脱出するラストシーン、この一連のシーンの繋がりは襲撃シーンへの幻滅を補って余りあるものだった。 ただ、そこ以外の部分のストーリーはイマイチだったかな。結局はレプリカントとデッカードの対決だけの内容になってしまっており、それもイメージの断片をつなげたような展開をしているため、ここのシーンの繋がりが非常に分かりにくい。逆にその繋ぎ合わせられたイメージが、それ単体としてはそれぞれが非常に良く出来ているため、余計ストーリーに頭が回らず、特に一人目の女性レプリカントを捜索するシーンなどはなんでそうなるんだ?という疑問ばかりが残る展開。 |
| なんでか知らないけど、この手のハードSFって、妙にストーリーを複雑で分かりにくいものにしようとしているようで、そういう姿勢は好かない。ストーリー展開の軸となるべき言葉なり物なりを大きく提示するのではなく、必要最低限以下の説明の中で表現しようするため、ともすれば、ストーリー的には破綻しているかのような印象すら与えかねない。まぁ、この作品では、その演出が独特の不可思議な世界観を上手く伸ばしている面もあると思うが、他方で、この独特の世界観を存分に堪能させたいと思ったら、ストーリー面は単純であってもいいはずだ。その方が、頭の一方に疑問を残したままとりあえず先のシーンだけ見ておく、みたいなことにならず、映画そのものの完成度も上がっていたと思うんだけど。 まぁ、そういったストーリー面の小難しさを抜きにしても、この映画のもつイメージというか、独特の雰囲気はなかなかのものだし、個人的には、こういう薄暗い雑然としたイメージというのは気に入ってる。むしろストーリーを理解せず、提示されるものをあるがままに受け入れ、BGMのようにして楽しむのも面白い映画なのかもしれない。 |
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