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燃えよドラゴン

公開年 監督 主演
1973 ロバート・クローズ ブルース・リー

 ブルース・リーは、ジェームス・ディーンと同様、その人気の絶頂期において世を去ってしまったことにより、伝説的な人気を誇ることになった俳優らしい。彼にまつわる品物などは、コレクターの間では別格の扱いになっているとか。
 僕がブルース・リーについて事前に知っていたことといえば、その一種独特の風貌と、カンフー、そしてあの「アチャー!」という掛け声。まぁ、その程度といえど、日頃映画を見ない僕が知っているということはかなりの知名度を誇るといっていいんだろう。アジア人ではもっとも有名な俳優の一人なんではないか?

 で、この「燃えよドラゴン」は彼のハリウッド進出第1作。彼のハリウッド作品はこの他に「死亡遊戯」があるが、こちらは撮影中に彼が死亡したこともあり、純粋な彼のハリウッド作品は「燃えよドラゴン」だけ、らしい。
 話の筋はいたって単純。少林寺でマーシャル・アーツの師範をしているリーが、少林寺拳法を悪用しているハンという男が主催する格闘トーナメントに潜入し、彼の悪事を暴こうとする、というもの。
 最初から最後までマンガ的な展開で楽しませてくれる。・・・っていうか、この映画が今の格闘マンガに多大な影響を与えたのかも知れない。離れ小島にある格闘のトラの穴での格闘トーナメントなんて、この手のマンガでは一種のお約束だもんな。
 序盤は、そのトーナメントに参加する人物たちの過去がある程度語られる。・・・しかし、その過去が「なんでトーナメントに参加することになったのか?」という疑問に答えるものであるかというと、必ずしもそうではない。リーの動機はまぁわからんでもないのだが、アフロのヒスパニック、ウィリアムの過去なんて、訳も無く警察に追われてやってきました、って感じで何がなんだか。まぁ、細かい話は気にするな、って言われるとそれまでなんだけど。
 トーナメントが始まる前に、当時の香港の様子を描写したカットがいくつか登場するのだが、これが僕の持ってる香港のイメージとはまったく違う。僕のイメージは「百万ドルの夜景」であり「アジアの金融センター」なんだが、この映画の描写では、何処かの貧民窟みたいだ。いまから20年以上前の作品であるし、作品そのもののイメージもあるんだろうが、随分と変わったものだ。むしろ、九龍城に近いイメージかも。

 中盤がちょっと退屈だったかな。格闘トーナメントのルールが全然説明されておらず、ただ指名されたもの同士が戦うだけ。もてなしのパーティーやら、リーの地下洞窟への潜入なんかは、前後の話からその行動に至る繋がりが見えにくいような気もした。
 が、地下洞窟でのアクションは文句なし。大量の敵との戦いでもちっとも不自然さが無く、スクリーン上で十分な迫力を持つアクションが出来るというのは凄い事だと改めて実感させられた。
 一番面白かったのは、やはり格闘オンパレードとなる終盤かな。。体を張ってるだけあって、やはりアクションの迫力は相当のものだ。ブルース・リーは普段のニヒル感じも良いけど、アクションだとまた独特の迫力があるな。ハンの手下どもとの乱闘や、ハンとの第一ラウンドには、つい引き込まれてしまう力があった。オハラは弱すぎて話にならなかったけど。欲を言えば、ハンには、もうちょっと頑張ってもらいたかったな。
 更に、リーとローパーとの決闘があれば最高だったんだけど。ま、話的にそこまで持っていくのは難しいのかな。

 全体としてみたら、非常にマンガ的な単純明快な展開で、かつアクションが豊富、迫力もある。深く考えずに楽しめる映画かな?加えて言うなら、この映画は「ブルース・リーのブルース・リーによるブルース・リーのための映画」。常に彼の存在感が終始圧倒的であった。そういう存在感で映画を作ることができると言うのが、彼がスーパースターである証明なんだろう。